前回、稲の倒伏防止にはケイ酸が重要と書きました。
ソフトシリカやケイカルなどの施肥で補うのはもちろんですが、稲わらやもみ殻にも多く含まれます。これを活かさない手はなく是非とも地力向上や倒伏防止に役立ててほしいと思っています。
注意点としては、鋤きこむのが遅いとガスわきの発生につながり稲の根を痛めたり生育を妨げます。
特にここ数年は温暖化の影響でひこばえの成長が早く実をつけるほどになっています。そのため腐植が間に合わず、代かきで稲わらが浮きあがる田も見受けられますので注意が必要です。
当店では豊土サングリーンなど稲わらの腐熟を促進する資材も扱っていますが、なかなかそこまで手をかける農家は多くはありません。しかしながら、稲わらを完熟させればこれほど手軽な地力の増強とケイ酸の補給は他にないと思いますので一度ご相談ください。
また、稲はケイ酸の吸収量の大半を幼穂形成期(出穂の約40日前後)に吸収します。
今年のように日照不足や生育徒長の場合でも、水溶性の資材であるソフトシリカやミネライトでしたら吸収がスムーズで幼穂形成期の散布で完全な倒伏はさけられたようですので、この時期の散布をお薦めします。