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今年の米作りを振り返って①

 

今年の稲作も終わりに近づきましたので、少しづつ思うことを書いていきたいと思います。

 

なんといっても今年の稲作の反省点は稲の倒伏(特にコシヒカリ)だったのではないでしょうか。

9月の連休までは稲の型も良く今年は豊作ではないか?と胸躍っていたと思います。

しかし、9月の連休の大雨を皮切りに次々と倒れ始め、稲刈り適期を迎えていた稲はべったりと倒れるか、べったりとはならないまでも穂についた雨で発芽するなどしていきました。

 

9月より前に当店の会長は「今年の稲は倒れる」と言っていました。稲の丈が例年より長くなっていたためです。今年は暑い日が続いただけではなく、水不足にはならないほどの適度な雨が降っていました。

そして、ここ福島で昨年との大きな違いは何かといえば、梅雨時の最低気温の高さです。

今は梅雨でも気温が下がることは少なくなりましたが熱帯夜となったのはあまり記憶がなく、これで肥料の溶け具合は早まると危惧していました。今は稲作と言えどあまり田んぼに入らずともすむような施肥設計(元肥一発肥料)が多い上に水温が高く前倒して効き始めてしまい稲の成長を早めてしまったと言えます。

 

その中でのめってはいるけれども完全に倒れなかった稲がありました。ケイカルやソフトシリカなどのケイ酸を含む肥料を散布した田んぼです。ケイ酸が稲を固くし倒伏防止に役立ちました。肥料の高騰で散布しなかったところもあったなか、今年はその効果を発揮した年だったと言えます。

 

福島県なら「天のつぶ」のように、丈が短かく今年のような年でも倒れにくい特徴をもつ品種が各県にあります。ここ2,3年の天候を見ていますと、もともと倒れやすく暑さにもイモチにも弱い「コシヒカリ」は栽培に適してるとは言い難く、その食味の良さから今日本で一番栽培されている品種ではありますが、「コシヒカリ信仰」からもう少し離れてもいいのではないかと思います。

 

来年の種もみの注文がまだでしたら、多品種栽培でリスクを分散させるのも一手なのではないでしょうか。