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猛暑でもいい米を作る!

 

連日暑い日が続いています。線状降水帯ができれば災害級の大雨にみまわれ、照れば40℃近い猛暑日。38℃はよく見る数字となってきました。これが気温だなんて数年前まで思ったことがあったでしょうか?

 

過去の記憶を見てみると平成30年も暑い夏で「低温・日照不足で凶作だったことはあるが暑すぎてとれないのは初めてだ」と残っています。それから、毎年のように暑い夏は続き一過性のものではないことがわかってきました。

これからは猛暑が常と肝に免じて、品種の選定や栽培方法を確立していかなければなりません。

今年も暑くなることを見越して種まきの時期を遅らせましたが、梅雨の時期からの高温に生育が追いつくどころか追い越してしまい、例年以上に早い出穂となっています。

出穂から落水するまでの期間が稲にとっては一番重要な時期ですので、ポイントをおさらいしておきましょう。

 

〇土づくり・施肥

 実は米がとれるかどうかは出穂前に決まっています。落水後光合成をたくさんすることでデンプンを貯え、モミの数を決めていきますが、この時期に色が褪めすぎると穂を小さくしてしまいます。

この時期にソフトシリカなどのケイ酸分を補給することは稲を丈夫にし倒伏防止にもつながります。

追肥を適正にすることが稲の収量や体力維持にかかわってきますので、確実に行ってください。

また猛暑の時は出穂の時期に追肥すると心白が減ることがわかっています。しかし、あまり追肥が遅すぎると食味に影響しますのでご相談ください。

*昨年は籾の数はたくさんあったのに籾ずりしたら無くなったというのは、籾はたくさん作れたけれど肥料切れをおこしてすべての籾にデンプンがいきわたらなかったということではないかと思います。

 

〇水管理

 昨年はかけたくても水がなくもっとも苦労したところでした。今年は雨量は少ないものの水不足とまではなっていないようです。出穂直後に台風やフェーン現象に遭遇すると籾の変色や不燃籾が出やすいので深水管理が推奨されています。出穂後は高温化では水も熱くなり根への影響も出やすいのでできればかけ流し、できなければ間断灌水が有効です。用水が充分でなければ「飽水管理」

(足跡に水がたまるくらいの量で無くなったら入れるを繰り返す)がお薦めです。

*夜間の地温をいかに下げるかが重要となります。

 

これからは気象が食糧生産を脅かす時代になってくるかもしれません。

以前のブログでも書きましたが、品種の選定や播種、田植えの時期、栽培方法にいたるまで、さらに研究を重ねていかなければならないと思っています。

早場米は今月、来月には本格的に新米も出回ります。美味しいお米が安定供給されるよう生産者、消費者が共に考えていかなければいけない時代になっていると感じています。