3月16日、17日と当店のライスセンターにおいて種もみの温湯消毒がありました。
昨年の高温障害の反省をふまえ、例年より1週間ずらしての開催です。この時期はポカポカ陽気の時もあれば吹雪の時もあり、外での作業なので心配していましたがまあまあいいお天気となりました。
種もみは消毒済みのものと未消毒のものがあるのですが、通常消毒は農薬を使って行います。しかし、当店は有機栽培や特別栽培をやっていること、福島市が飼料米に補助金をつける条件のひとつに
温湯消毒を入れているため、毎年この時期に農家さんを集めて行っています。
なぜやるのかというと、ばか苗病など種子伝染性病害を防ぐためで、殺菌はできるけど種もみは大丈夫という約60℃というお湯に10分間浸しその後水につけます。
その後農家さんが持ち帰り浸水となるのですが、今年は雪が降るほどの寒さとなり水温が低くなることを心配した社長が各農家さんに電話をかけていました。
浸水時の注意点ですが、水温は10℃から15℃とすること。これを確実に守ってください。
10℃以下になると籾が休眠し発芽しませんし、15℃を超えると発芽します。
品種により発芽に必要な積算温度は変わりますがだいたい100℃と言われ、積算温度=水温×日数 となります。水温が高ければ日数は短くなりますが発芽ムラができるため、12℃から13℃でできればいいですね。また、酸欠を防ぐため浸水3日後くらいから水からあげたり水の交換をお願いします。(この際も水温に注意してください)上下を変えたりするのもムラをなくすのに有効です。
昨年を思い返すと、あまりの暖かさに催芽器に入れなくても芽が出たり、1葉の展開が早くハウス内が高温にならないように気をつけたりと暖かいことに気を取られていたように思います。しかし4月に一転、霜が降りるほどの低温になって温度管理が大変だったことを思い出しました。
今年も寒暖差が激しい年になりそうですので、ミラシート等の資材を上手に使って温度管理し、丈夫な苗を作っていきましょう。
来月には種まきとなり令和6年産の米作りスタートです。