ブログをアップするのが本当にご無沙汰になりました。
今年は9月あたまにとある試験があったため、8月には決算に向けての事務と並行して受験勉強(ウン十年ぶりにやりました)。それが終わったら今年は稲刈りが早まるということで袋の配達やセンターの準備と、いつもなら9月あたまに一息つける時があったのもないまま駆け抜けてきました。
今年は例年より1週間ほど早く9月23日に安全祈願をし、9月24日から稲刈りが始まりました。欲しい時には降らず9月になって雨が降ったことでややぬかるんだところもありましたが、順調に稲刈りは進んでいきました。
続いて乾燥、籾ずりとやっていきます。先行する地域の状況を聞きながら今年の出来を心配してやり始めましたが、案の定高温障害が激しい上に収量もダウンと力を落とす様子になんて声をかけていいかわかりませんでした。他でモミの量は平年並みだが心白、着色粒が多いとは聞いていましたが、まさかここまでとはといった感じです。田植えが早く出穂に猛暑があたった上に水の確保に苦労したということでした。
当店のライスセンターは今年色彩選別機を新しくし、何度も通して未熟粒や着色粒を落としました。
それを集めたのがこちらです。
くず米となるものなので出荷するものではないのですが、今年の特徴として1.7mmの網目で通した中米も似たような感じになり、中米として出荷するものはない感じです。加工用に回されることの多い中米の不足が今年は懸念されます。
続いて稲刈りした田んぼは種もみの量は平年並みでしたが、やはり心白があり等級が心配されました。
9月26日に第1回目の等級検査がありましたが、検査に入った240袋ほどのコシヒカリ、こがねもちの中で1等になったのはこがねもちの10袋どまりでした。こがねもちはなかなか1等になりづらいので仕方ないのですが、うるち米で1等が出なかったことは予想したことではありましたがショックでした。
色彩選別機ですべてを取りきれるものではなく、またその分収量が落ちるため、どこまでやるかが悩むところでした。
今年よく聞かれる高温障害による心白(米の芯の部分が白く濁る)などですが、米検査のどこに影響するかというと整粒歩合です。
玄米の等級検査は農産物検査法によって基準が決められているのですが、1等になるためには整粒が70%以上必要となります。(等級検査については2年前のブログで書いてありますのでよろしければご覧ください)
心白の米は未熟粒に分類され高温障害を受けた米が多ければ多いほど未熟粒の割合が増え整粒の割合が減ります。
今年1等米の割合が少ないのはこのためなのですが、ただ米としてはどうなのかと言いますと、多少白く濁ってはいますが見た目だけの問題で味が悪いわけではありません。今年の天気は光合成を行うには十分すぎるほど晴れて、食味が素晴らしく高くなっています。心白があることも食味が高くなる要因にはなりますが、太陽の恵みを十分に受けたことが最大の要因だと思われます。
精米した時に白い濁りが気になるかもしれませんが、炊けば美味しい新米ですので味わっていただければと思います。
今日は雨で籾ずりのみでしたが、晴れればまた稲刈り開始です。他の生産者さんから出てきた米の等級検査も並行して行い、量が確保でき次第店頭やネットショップで販売いたしますのでもう少々お待ちください。
※令和5年産こがねもちは秋季祭礼があるため店頭にて先行販売しています。