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作況指数と概算金 いろいろ思うこと

 

昨日は中秋の名月。空を見上げる方が多かったのではないでしょうか?

川面に映る月や稲穂を照らす月もオツなものです。

 

 

上の写真は先日田んぼを見回った時に撮影したものです。

後日、岩井さんが店にお越しになったので話を聞いてみると、「福、笑い」は出来がよく穂が揃っているが、「コシヒカリ」はバラつきがあるとの事でした。穂を手に取って長さを見ていたので感じてはいたのですが、岩井さんがモミ数を数えてみると多いもので180、少ないものだと100程度とかなりの差です。

 

 

 

さて、この時期になるとよく出てくる言葉に「作況指数」と「概算金」があります。

作況指数はその年の作物の収穫量が平年に比べて多いか少ないかを表す指標で、生育中にも草丈、茎数、気象などを考慮して算出します。

毎年発表になるたびに(ホント⁈)と思うことが多く、今年も8月15日時点の作況指数が発表されましたが、またもや「?」と思ってしまいました。東北でいうと、宮城・山形はやや良、岩手・福島は平年並み、青森・秋田はやや不良となっています。やや不良は平年の95%から98%くらいを意味するのですが、青森・秋田の生産者さんの感覚はどの程度なのか聞いてみたい気がします。今回は実地調査はやらずデータのみからの算出だったとのことで、大雨による被害を精査し、今月中にも再度発表があると思うので注視したいと思います。

 

次に概算金ですが、全農さんが米を集荷する際、県内各JAさんに支払う一時金のことを言います。県内の各JAさんはそれをもとに手数料を引いた金額を農家さんに支払うので、農家さんの収入に直結しますし、市場での卸価格にも影響します。

当店も概算金を目安に農家さんへ買取価格を提示しますので毎年今年はどうなるのか気にしています。

 

結論から言いますと、今年は記録的な下落幅となった昨年より1俵あたり500円から1500円の値上げとなっています。福島県を見てみますと、会津産のコシヒカリが最大で1500円のアップ。天のつぶや里山のつぶは800円の値上がりと品種によりばらつきがあります。

令和3年産が2600円から3200円の下落をしたことを考えると、まだ半分も戻らない品種があり、上がったとはいえ農家さんにとってかなり厳しい内容となりました。

肥料や資材が何度も値上がりをしている中、この金額では生産意欲が低下し離農につながるのではと危惧しています。

 

肥料の高騰化対策で国やところによっては自治体からも支援金が出るようですが、支援の条件や申請などが簡単になったとは言え手間がかかるため、支給には時間がかかるのではと思っています。特に個人あてに支援金が支払われるのではなく5戸以上の農業者の組織する団体が取組実施者(新たな団体設立も可)となり、中間報告書、低減実施報告書の提出を請け負うため負担が大きくなります。(*JAや肥料販売店が取りまとめることを想定)

2030年までに化学肥料使用量を20%低減するという目標のため、土壌診断による施肥設計や堆肥の利用など15の取り組みメニューの中から2つ以上実施が支給の条件となるのですが、袋数なのか成分なのか何をもって減とするのか、実際に土壌診断したかなど取り組みの確認はどうするのかなどわからない点はたくさんあります。

Q&Aを見てみると本年でなくても期限内に取り組めばいいとか、取り組みの拡大や改善でも良いとなっていますので結構緩め。まずは出してくださいということでしょうか。

(取組実施者の5%程度を抽出して現地調査を行うとはなっています。抜き打ちですね)

 

正直、有機栽培や特別栽培を長らくやってきたものとしては今更感もありますし、これ以上何をするのかという思いもあります。しかし、今後の農業が大規模化・効率化を重視すれば化学肥料や農薬に頼った時代に戻るのではないかとの懸念もあり、また食糧安保の観点からも今ある資源や技術を生かすというのは取り組むべき内容だと思っています。

失って初めてわかるということにならないよう、肝に銘じたいですね。