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どっちだ?

 

今年は田植えが終わってからの低温と空梅雨にこれほど悩まされるとは思っていませんでした。

全体的に稲の丈が短く分けつも悪かったので、このまま梅雨に入って日照不足になれば不作も覚悟しなければならないかと思っていました。ところが、梅雨入りしたと思ったら猛暑日が続き、遅れを取り戻すどころか高温障害を心配する声も出始めました。

 

6月末から今年の中干しはどうしたらいいかとの相談も舞い込むようになってきたのですが、まあ、今年ほど稲の出来がばらついた年はなかったのではないでしょうか?同じ生産者で隣り合った田んぼでも状況が違うことがありました。

中干しをしたくても分けつが充分ではなく、かといってこの暑さで黙って水は蒸発し、稲がお湯に浸かっている状況です。状況を見ながら間断灌水したり、生産者さんごとに対応が分かれました。

 

もうひとつ頭を悩ませたのが葉の色です。

この時期は倒伏に関係の深い10葉目が展開中なのですが、葉の色が黒い。つまり肥料がかなり効いている状況の稲が見られました。

現在の稲作りは追肥なしで作る一発肥料を使われる農家さんが多いのですが、この稲の色は元肥の肥料が遅れて効いてきたのか、追肥の肥料が高温で早めに効いてきたのか意見が分かれたのです。

天のつぶのような多収米なら心配いりませんが、倒伏しやすいコシヒカリなら水を落とし土を固めねばなりません。ソフトシリカを散布したり、心配になってスマレクトなどの倒伏防止剤を買いに来られるお客様もいらっしゃました。

茎数が確保できた田は水を落とし、色が褪めるか確認していきました。

この時期にSPADで40を超えている場合は注意が必要となり、穂肥をするなら時期を考えねばなりません。

 

今年も青空講習会が開かれたのですが、実に様々な状況だったそうです。

 

 

この写真は昨年の同じ田の写真なのですが、茎数が少ないのが見てわかると思います。

すべての田がこんな感じではありませんが、全体で見た場合今年の収量は平年より落ちるのではないかと感じています。

今月下旬から来月の天気がどうなるか、特に気温と湿度に注意してみていきたいと思います。