先日、福島市もついに桜が開花しました。
そして、今日は福島市の小、中学校の入学式です。福島では桜は出会いの季節に咲く花なんですよね。
新年度を迎えましてって、もう6日だぞって思われる方もいるかもしれません。
2022年になってから、いや実際は昨年のうちから、農業業界特に肥料業界には激震が走っていました。
今はSNSを使われる農家さんも多くなり、知っている方も多くなりましたが、肥料が入ってこない!
これは最初はコロナでコンテナが足りない、船が着かないということが多かったと思いますが、次は中国などの資源国が輸出規制をかけ始まったこと、中国国内で発生したアフリカ豚熱により中国の養豚業界が大打撃を受け(中国は世界で最も豚肉を生産・消費している)、自国優先で食料事情の立て直しを図っていることにあります。
もともと、肥料に使われる資源は偏在しており、中国、モロッコ、カナダ、ロシア、ベラルーシ、など、最近よく耳にする国が多いのが特長です。
ここ数年の天候不順により世界の食糧生産は順風満帆にいっているとは言い難く、それに輪をかけてコロナやアフリカ豚熱の発生で厳しい状況になっています。そして、ロシアのウクライナ侵攻。春を迎え、日本でも種まきが始まっていますが、ウクライナでは追肥どころか種まきもできずにおり、さらに厳しくなるのではないかと予想されています。
日本でも次々と値上げが行われ、特にガソリンやガスなどのエネルギー、そして小麦や油などの食料の値上げは生活に大きく影響します。そもそも、資源の少ない日本はほぼ輸入に頼っており、食料生産に必要な肥料もほぼ輸入です。なんとか今年はしのぎましたが、来年充分な量が確保できなければ減産せざるを得なくなります。
業界紙か何かで土壌に足りない成分を施肥しましょうとの記事を読みましたが、このままだといずれ多収栽培から緑肥などを利用した自然栽培への転換が起きるのではないかと思っています。冬にイチゴやキュウリなどが採れることに慣れて深く考えずにきましたが、環境にはかなり負荷がかかっています。春には春の、夏には夏の旬の野菜を食べる、かつて当たり前だった生活に戻るかもしれません。
冬にイチゴやキュウリが採れるのを悪いと言っているわけではありません。
肥料代でも燃料代でもちゃんと価格に転嫁できなければ持続できないのだと言いたいのです。それは、食料を生産するすべての生産者の思いではないでしょうか?
肥料や資材の高騰に、もう自分で食べる分しか作らないという農家さんも出てきています。
温暖化でさらに自然災害というリスクを抱えながら農業をやる意義があるのか悩むと言います。
先日の朝のニュースで水素エネルギーのことをやっていましたが、脱炭素社会を目指すにはまだまだ価格が高く普及には時間がかかる。しかし地球温暖化は待ったなしの状況です。技術革新は進んでもその価格転嫁を受け入れられなければ、絵に描いた餅になってしまうでしょう。
よりいいものを、より安くという豊かな生活を享受してきましたが、私たち消費者の意識改革がなければ乗り越えられない大きな氷山が目の前にきているのではないでしょうか。