昨日から気温が上がってきました福島市。
まだまだ吹く風は冷たいし、今日も日差しはあっても天気雨が降り暖かさをそれほど実感できません。
それでも、まもなく3月になるということで、家庭菜園用の肥料の配達依頼が増えてきました。
そんな中、もち米をご注文のお客さん宅に配達に伺った時のことです。ご家族の方からご質問がありました。
「去年のお米なんですけれど、なんだか茶色くて、、、35℃の暑い時期に穂が出たからなんでしょうか?」
「玄米は保冷庫に入れているし、精米してもなんだか茶色くて上白で搗いても美味しくないんです。」
う~ん、確かに暑すぎてモミが固く厚くなることはありますが、そういうことではなさそうです。
ここ数年、猛暑続きで35℃以上になることも珍しくなくなりましたが、そうなると稲の葉身での同化能力が落ちてデンプンを貯めることができず、その場合は米が乳白となります。
ただ、茶色い米は見たことがあるので、会社に帰って聞いてみました。
すると、茶米は籾から菌が侵入して果皮で繁殖したためにできることがわかりました。
原因としては倒伏があるようですが、去年ならまだしも今年も倒したのか?
調べていくと、暑さによる稲体の消耗、8月の台風の雨風による籾の損傷、その後の低温による登熟の不良などが原因なのではないかと思われました。
何度も書いていますが、昨年は8月に枝梗イモチ病が出るなど特異な気象条件でした。今回のお客様も何十年も作っていてこんな事初めてだとおっしゃっていましたが、あの異常気象がおこしたのはイモチ病だけではなかったのです。
電話で説明すると、なんだかいつもの年より茶色くておかしいなと思っていたとのことですが、肝心の今年はどうするか?
菌は残っている可能性が高いので、一番に倒伏させないこと、そして気象条件に注意。感染に気付いたら早めに防除とお伝えしました。
今回は、もしかして気づいていないだけで他でも茶米が発生しているのかもしれない、注意してみていこうと思った件でした。