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天気も稲もイレギュラー!

 

肌寒い日が何日続いているのか、すっかり秋の気配となりました。10月中旬の気温だそうです。

西日があたるので日よけに置くよしずも季節外れになった感がします。暑さ寒さも彼岸までと言いますが、ひとっ飛びに秋が来ました。

 

先週、枝梗イモチになったとお伝えしましたが、あのあとの涼しさでまたイモチ病が広がっているのではないかと思い心配になって見に行ってきました。

 

 

 

こちらは大竹さんの有機栽培の稲です。

目線を稲と同じ高さまで落としてみないとわからないのですが、かなり曲がってはいますが白くなっている穂を見つけました。大竹さんはSPADの値も高くなかったので心配はしていなかったのですが、抜いて確認したかったけれどかなり中なので諦めました。

 

 

岩井さんの田んぼも良く見てみると曲がり切らない穂があることがわかります。

農業センターさんの方で調査に来るということでしたがどうだったのでしょうか?しかし、増えているという印象はなかったので少し安心しました。ただ、これから気温が高くなるとわからないので注意してみていきたいと思います。

 

一般栽培では田植えの時に虫とイモチ病の予防のために箱処理剤を使うことが多いと思うのですが、今年はその効果がきれてからなり始めた例外の年と言えると思います。名前は知っていても見たことがなかった「枝梗イモチ」をあちこちの田んぼで見ることができます。しかし、今年は風害で所々茶色になった穂があるため気づいていない方も多く、今更薬をまくこともできません。イモチの菌が田んぼに残ることも考えると来年は対策を考えることになりそうです。

 

続いて有機栽培をやっている佐藤さんの田んぼに行ってみました。

 

 

 

畦畔がきれいに刈られて稲を近くで観察することができました。

見てみると、ありました!イモチ病にかかった稲です。

先週来たときは見つけられませんでした。佐藤さんが別のところで草刈りをやっていたので、イモチ病のことを告げるとビックリされていました。モミがあちこち茶色になっているのは気づいていたそうですが、イモチ病になっているのがあるとは思わなかったそうです。

ですよね。。。今頃なるんですから。

その稲がこちらです。

 

 

1本1本広げて見ると面白いことがわかりました。

この穂はまず風で不稔モミができ、その後枝梗イモチになり、最後に穂首イモチになったようなのです。

最初に穂首イモチになると稲は真っ白になってまったく実をつけずまっすぐなままです。それを恐れて薬剤を使うことが多い病気なのですが、これは上の方まである程度実が入り固くなって穂が曲がっていました。

しかし、菌がついたところは黒くなっているので、それ以上実が入ることはありません。

この稲は追肥を多くやったため色が他よりも濃くSPADで40以上あったところの稲でした。

こうなってみると、天候にもよりますが稲をどの状態にもっていけばいいのかわかると思います。通常だったら倒れる心配をする稲がイモチになったということになります。

イモチ病は梅雨時の病気かと思っていましたが、条件が揃えばいつでも発症するのだとわかり勉強になりました。

 

ここ数日続いた雨で倒れ始まっている稲も見られます。

天気もイレギュラーなら稲もイレギュラー、今後も注意深く見守りたいと思います。