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稲の一生の中で。

 

オリンピックも始まったことで、暑いし誰も田んぼにいないだろうなあと思っていたら、いました!大竹さん。

溝切をやろうと思ったら固くて諦めたそうです。

「意外と固くなっているよ。」

大竹さんは間断灌水をやっているのですが、そのせいなのか今月あたまに追肥しているにもかかわらず、

稲の色があまり濃くなっていません。

 

続いて岩井さんの田んぼに行ってみると、きれいに草が刈られていました。今の時期田んぼでは畦畔の草刈りをする人の姿が多く見られます。これは畦畔のカメムシの住処をなくすためで、出穂の2週間前くらいには終わらせる必要があります。出穂してからだとカメムシがたんぼに入り稲の養分を吸って着色粒となり等級を下げる最大の原因となるためです。

 

 

現在の田んぼの様子はこんな感じです。

SPADを持って行ったので測ってみると、水口付近で40と高めです。しかし、それ以外では35から38と落ち着いてきました。田んぼは7月24日に潅水してしけっている状態です。

追肥をどうするのか聞いてみたくて電話をかけてみました。

「色が様々ですけど、追肥はどうしますか?」

「稲を2本抜いて割ってみたけど、幼穂が8ミリくらいになってるんだ。やるんなら今だけど台風が来るのと都合がつかないのとでどうするかと思ってなあ。色が濃いところはもう1回ソフトシリカをふった。」

「今年の稲はいいですよね。」

「本当にいいんだ。開帳型の稲で、この間測ったら茎の太さが12ミリから13ミリと太い。現在13葉から14葉めになっている。あんまり遅いと食味に影響するからどうすっかなあ。」

 

幼穂が8ミリだったことから、このままいくと出穂は8月18日くらいと予想しているとのこと。

今追肥をどうするかで農家さんが店の方にお越しになるのですが、幼穂の状態を見てみると例年より少し遅れているようです。8日も梅雨明けが早くてこんなに暑いのにです。葉齢を数えていると最初は遅れていましたが、徐々に追いつきこのままいくと出穂は平年並みかと予想していたので意外でした。

岩井さんにこの疑問を聞いてみると

「日照時間が短いんではないかと思ってるんだ。暑いってだけで。俺もあちこちの田んぼ見て歩くけど、葉イモチになっている田んぼあるもんな。」

 

 

7月下旬以降、稲の一生の中で収量に最も影響する大切な時期に入ります。

稲が体内の栄養状態にあった穂にすべくモミ数を減らしていく減数分裂期に入るためで、この時期は低温や風、水不足などに影響されやすくなります。

追肥や間断灌水などこの時期をうまく乗り切れる稲の状態にすることが収量を増やす秘訣とも言えます。

 

 

帰りにもうひとつミルキークイーンを作っている半沢さんの田んぼに行ってみました。

ここは中干しに入るのは遅かったのですがこの暑さであっという間にヒビが入っています。

あまり深いヒビは根を痛めたり、灌水することで根腐れをおこしたりするのですが、台風がやってくることもありどうやらこのままにしておくようです。

 

異例のルートで上陸しそうな台風8号。果樹を始め夏野菜に被害をもたらさないよう祈るばかりです。、