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習うより慣れるしかない?

 

先週1週間は「百姓は毎年1年生だ・・・」を実感する日々でした。

晴れてはいましたが風が強かったので油断もあったのでしょう、毎朝苗を焼かないよう注意情報を出していましたが芽の出が悪くまき直しになった方がいました。また、芽がなかなか出ない、揃わないなど電話が相次ぎ、毎日のように農家さんの所へ通う日々でした。

 

今年は飼料米の種もみを温湯消毒する方も多かったのですが、中でも天のつぶを温湯消毒したものの芽出しがうまくいかないという話になりました。同じようにやっているのにと。

今年の天のつぶの種もみは皮がむけているものが多く、それが原因かと思いましたが上手くいっている方もあり、普及所の方へ問い合わせたところ、なんと温湯消毒をした後の水温が低すぎると発芽率が悪くなると言われたそうです。

最近は田んぼの集約が行われ、ひとつの生産法人が作る苗の量も多いため、おのずと種もみの量も増えていきます。それを浸水した場合、上下の水温の差ができるうえ一度に播種もできないので芽が出ないよう冷たい水に浸けているようになります。それが芽出しが悪いわけだというのです。

長いお付き合いのある農家さんで大ベテランなのですが、「何十年もやって初めてわかったわ!」と苦笑いしていました。ちなみに薬剤処理した場合は関係ないそうです。

もう、こうなるとその時々で対応していくしかなく、習うより慣れよの心境です。

 

こんなこと初めてだらけの浸水と播種でしたが、岩井さんの苗はどうなっているか午前中見に行ってみました。

 

 

 

岩井さんの姿はありませんでしたが、うん、きれいに揃っていますね。先週の写真と比べるとはっきりとわかります。現在2葉めがまもなく終わるところで苗は自分の根っこから栄養を取れるようになっています。

プールにも水が入りました。

 

 

今日は空気がひんやりとして、ハウス内の気温は15℃。涼しいくらいですがハウスの脇は開けています。

 

その後田んぼの方に行ってみると、同じく有機栽培をやっている大竹さんの田んぼに水が張られています。

(早いな~)と思って車を走らせていたら、いました。岩井さんです。

肥料をまいたので耕しているとのこと。

苗のことを聞いてみると、今年はやはり芽出しが悪い、もしくは揃わないという話があちこちから聞こえるそうで、水温のことなど情報交換をしました。

「岩井さんの苗、きれいに揃いましたね。」

「乾燥しすぎたかと思って蒔いたらすぐ水をくれたのがよかったのかな」

今日は帰ったら2回目のローラーを苗にかけるそうです。「気温も下がりそうなのでもう少しプールに水を入れるけど、ハウスは夜も開けっぱなしだよ」

 

まだまだ寒暖の差が激しいのでこまめな調整は欲しいのですが、とりあえずムレ苗にもならず順調な展開です。

引き続き育苗の様子を追いかけていこうと思います。

 

 

あっ、これがローラーです。こんなので2回も3回も踏まれるのですが、それに耐えて丈夫な苗になっていきます。えらいなあ。