「腐植」と聞くと(なんだろう?)と思う方も「堆肥」と聞くと(あれね!)と思うほど馴染みのある指標です。
植物の残さや動物の排泄物が微生物によって分解されできた有機化合物のことで、土壌の保肥力、保水力、通気性を高める重要な物質です。 腐植の値はその土地の地力、肥沃度を表すといってもいいでしょう。
腐植の値の目標は2%から3%と言われています。
腐植は微生物によって時間の経過とともにさらに分解され年々減っていくので、堆肥などの有機物で補う必要があります。
堆肥としてよく知られているのは「牛ふん堆肥」と「バーク堆肥」です。
地力を高めたいからとたくさん入れればいいかと思うとそうでもなく、堆肥自体に含まれる肥料成分を考慮した施肥設計が必要になります。堆肥を大量に施肥した圃場ではリン酸やカリが過剰に蓄積している場合がありますので、施肥には注意が必要です。
堆肥に肥料成分なんて書いてあるの?と思われる方も多いと思いますが、袋には必ず上記のような表示があります。(生産業者保証票)(地力増進法に基づく表示)
原料は何か、誰がどこで作っているか、窒素、リン酸、カリの含有量、標準施用量に施用上の注意点まで書かれています。
通常の土壌分析では腐植の値まで分析することは少ないので、何の作物を作りたいのか、その時点での土壌分析から施肥または減肥する方が一般的かもしれません。
塩基置換容量が(CEC)が土の胃袋の大きさを表すなら、腐植は基礎体力かなと思っています。