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土の健康診断をしよう―可給態リン酸

 

窒素N、リン酸P、カリKといえば肥料の三要素と言われ、肥料の袋に書かれている数字を思い出す方も多いと思います。

ザックリ働きを言うと、

  植物の体を作る窒素(葉肥)

  花や実を作るリン酸(実肥)

  根を作るカリ(根肥)     といったところでしょうか?

 

土壌分析に出てくる可給態リン酸とは、その名の通り作物に吸収されやすい形になっているリン酸のことをいいます。

この数値が出てくるわけには、日本に多く見られる火山灰土壌が深く関係します。

火山灰土壌はリン酸を作物に吸収されにくい形に固定してしまうため、いくら肥料をくれても思ったような効き目を表しません。つまり肥料をいくらくれたかよりも、どれくらい吸収されやすい形になっているかが重要になってくるのです。

そのため、この数値をみながら施肥設計を行う必要があります。

その際のポイントは二つ。pHの管理(また出てきましたね)と有機物の利用です。

 

最近はリン酸吸収係数(土壌がリン酸を固定する力)が高いにもかかわらず可給態リン酸の数値も高い土壌も出てきており、リン酸過剰で土壌病害が起きやすくなっているところもあります。

 

先週、お正月に相談にこられたお客様がまたお越しになりました。追加でソフトシリカを買っていかれたのですが、その際に再度お話を聞いたら昨年頭を悩ませた病気はリン酸過剰でなりやすいものだとわかったのです。

もう定植は半分ほど終わっているとのことで、あとは出てきた症状をみながらの対策になります。(出てこないことを祈ってますが)

 

人間もそうですが、同じものを食べても吸収はひとそれぞれで、病気の症状も治し方も違います。

自分の体を知るのと同じように自分の土地の特徴を知るのは大切なことだと思いました。