当店で稲刈りを請け負うライスセンター業務や農家さんからお米を集荷し等級検査を行う業務までやっていることはブログでお伝えしたことはありますが、はて?等級検査って何?と思われた方も少なくないと思います。
農家さんでも「うちの米は1等だったよ」「なんだ~うちの米2等になったのかい?」とは言うものの、なぜそうなったのかよくわからないのではないでしょうか?
なので、今回検査が落ち着いてきたところで等級検査でどんなことをやっているのか簡単にお話ししたいと思います。
まず、検査場に運ばれてきた玄米は生産者ごと・品種ごとに積まれていきます。最初にやることは重量が規定通り入っているか量ることです。(皆掛重量で30.5kgあるか量ります)
それから、玄米から検査するための米をとります。
特殊な長い棒で玄米袋の脇を刺し玄米を抽出します。同じ生産者が何袋出したかによって抽出する数が変わってきます。すべての袋が同じ品質なのか確認するためです。数が少ない場合や品質の差がある場合はすべての袋を検査します。
開けた穴はどうするの?と思われるでしょうが、その穴はマル検シールと呼ばれるものでふさがれます。玄米を買われたことがある方なら玄米袋の側面にシールが貼ってあるのを見たことがあるのではないでしょうか。
カルトンに取られた玄米は検査室に運ばれ、まずは水分検査を受けます。
玄米の水分量は16%以内と決まっていますが、それを超えると規格外となるため農家の方は15%以内になるよう乾燥機をセットしている方が多いと思います。よく新米は水を少なめにして炊いてと言われますが、それは水分が高めの米は柔らかめに炊き上がるからです。しかし、現在は乾燥機を使いますので当店では新米に切り替わった際は「一度炊いてみてから水の量を変えてください」とお願いしています。
次にカルトンに広げた玄米の状態をみます。
米の形はどうか、色は?砕けていないか?異物は入ってないか?粒がそろっているか?それは何%か。
検査員は目視でひとつずつ確認していきます。ちなみに未熟粒やカメムシ被害の着色粒などを除いた割合(整粒歩合といいます)が70%以上あれば1等となります。
人がやるのかと驚かれるかもしれませんが、検査員は毎年講習を受けまた検査員の大会もあるなど技術の向上に努めています。品種による形の違いも見分けるのですから驚きです。
等級が決まると今度は等級印を袋に押していきます。
玄米の袋のどこかにこの等級印が押してあるのを見たことがあるのではないでしょうか。これを全袋に押して等級検査は終わります。
この検査証明書には誰がいつこの検査をやったか、等級は何かが書いてあるのです。