ここ数日、近くを通っては田んぼの様子を見ていました。
15日には穂が出始まったので、岩井さんは防鳥糸を張り雀の被害を受けないようにしました。そのときは、まだ出始めだったのでわからなかったのですが、今年は丈も100cmほどと短いので収量も上がらないのではないかとのことでした。この時点での発表で福島県の作況指数は98、やや不作といった感じでしょうか。
やはり、長雨による日照不足がきいたようです。同じ日に別のお客さんが天のつぶなのに色がつかないとぼやいていました。一発肥料を使ったのですが、7月中気温も上がらなかったので肥料成分が溶け出さず出穂を迎えてしまったようです。この暑さでどこまで戻るか何とも言えません。一般的に背丈が短いと長い穂は出にくいのでその分収量は下がります。
そして、今日8月18日の田んぼの様子がこれです。
見事な穂が出ていました。まだすべて出揃ったわけではありませんが、ほぼ出て開花が始まっていました。
写真を撮っていると、岩井さんが通りかかっていろいろ話を伺うことができました。
まず、穂の長さについて。
正直背丈が短いのでそんなに長い穂は出ないだろうと思っていたのですが、ざっと測ったところ20cmはありました。岩井さんもこれには驚いて「この穂なら140粒くらいついているんじゃないか?整粒歩合にもよるけれど」
なぜ大きな穂ができたのかとの問いには「この稲は15葉めができてて、14葉めの葉が長く幅が広かったので充分な光合成ができたんじゃないかな。」
測ってみると14葉めの葉っぱの幅は12mmありました。これだけあれば充分に光合成ができ栄養を蓄えることができます。
通常コシヒカリは14葉めが止め葉となることが多いのですが、岩井さんは成苗で植えていること、そして深水管理をしていることで15葉めが出てくるのではないかと思います。
持っている葉が14葉めです。
そして、稲の長さを測る岩井さん。
今日田んぼに来たのは水をひくためで、確かに田んぼの水は無くなっていました。
そこから暑さの話になり、「やはり40℃近くなると影響はでてくるので水はかけ流しできればいいな。穂は三段階に分けて成長するからその期間は間断潅水でもいいからあった方がいい」
稲刈りの時にぬかるむのが嫌で水を今からきらせておく田もあるのですが、乾燥してヒビが入ったような田では収量は期待できません。この天気で何もしなくても水は蒸発していきます。今日見回っていても水が入っている田んぼの方が少ない気がしました。
これから、大事な登熟期を迎えます。日中の暑さもさることながら夜間の気温も重要です。これは日中光合成で作ったブドウ糖を夜間に蓄えるためで、美味しいお米は寒暖差の大きい地域でできると言われるのはそのためです。
連日猛暑日が続く日本列島ですが、なんとかできるすべての手を打ってこの時期を乗り切りたいと思います。