6月28日午前雨、午後から晴れ間時々にわか雨。
田んぼに行くと岩井さんは株間の除草をやっていました。生えている草はホタルイ、クログワイ、オモダカなどです。クログワイは今のうちに取らないと稲刈りで苦労するようになります。オモダカは大きいもので30cmほどの大きさになっていました。他の田は田車を3回かけましたが、その田は2回だったそうです。なので生えている草もこんなに大きくなっていました。
一般栽培でもここまで大きくなると除草剤も効くのがなくなり手取りするか、諦めるしかなくなるのですが、
岩井さんは黙々と作業に励みます。
「ここまでやって高く買ってもらえるのならいいんだけどな~。除草剤使えば済む話なんだけど、有機栽培は哲学がないとやらんにんだ。」
岩井さんの田んぼにはヤゴなど生物がいっぱいいるとのことで、草を抜いているとビックリして動くのだそうです。
「除草剤使ったらいなくなっちゃいますか?」
「だと思うよ。いなくなるのはすぐだから。」
岩井さんを始め有機栽培や特別栽培をやっている田んぼが集まっている一帯はクモやトンボ、カエルといった生物、カモやサギといった水鳥が増え豊かな生態系をつくっていますが、これも数十年かけて取り組んできた結果であることに間違いありません。
それを失うのは一瞬であってそれを知っているからこそ、哲学だと言うのです。
話は他の田んぼの出来具合になりました。
「今年は茎数が多いな。色も褪めないし倒れるところが出てくるんじゃないだろうか。」
たまたま去年イモチ病になった田んぼがあって、その相談を受けたので現地でSPADを使って状態を見ることになりました。隣接する田んぼの方も集まって勉強会です。
SPADは葉緑素を測る機器で稲がどの程度肥料を吸っているかがわかります。
その田んぼは茎数も多く色も濃かったので、SPADで測ってみたら45もありました。(写真は有機栽培稲)
コシヒカリなので今の段階なら茎数は15,6本あればいいと思うのですが、茎数も30から35もあり稲ができすぎた状態です。茎数がたっているうえに色も濃いということで、このまま梅雨空が続けばイモチ病になるかもしれません。箱処理剤を使っているので7月20日くらいまでは効いているでしょうが、イモチ病の薬は効き始めるまで2週間近くかかります。
梅雨があけ暑くなれば色も褪め心配はいらないかもしれませんが、安全策をとりイモチ病の薬を散布して、それから水を落としていくよう指示しました。
コシヒカリでも全く姿が違うことがわかります。
岩井さんは7月2日にシリカ21をふった後、徐々に水を落とし始めました。現在9葉から9.2葉、まもなく大事な10葉めが出てきます。
中干ししてからが勝負です。この稲がどのように育っていくのか、また茎数の立った稲がどうなるのかまた追いかけていきたいと思います。