野菜苗の販売に追われているうちに、岩井さんの仕事はどんどん進んでいました。
この一週間の間に
〇米ぬかペレットを作る
〇苗にローラーを三回(!)かける *去年は一回だった
〇液肥(もちろん適合資材の有機肥料)を動噴で苗にかける
〇田んぼに水を入れ、荒代(あらじろ)をかく
と、ここまで進んでいました。
この中で当店の有機栽培米と特別栽培米(有機肥料減農薬栽培)を分けるものといったら
やはり米ぬかペレットでしょう。
有機栽培をやるうえで、最大で最高の労力を必要とするもの
それは 『除 草』 です。
今の時代、田んぼに入らなくてもすむよう除草剤は進化し、
畦畔から歩きながら散布するタイプのフロアブル剤、同じく投げ込むタイプのジャンボ剤
そして田植え機にアタッチメントをつけて、田植えしながら除草剤がまける粒剤と
メーカーごとに価格も使い方も様々なものが出ています。
当店の特別栽培米は除草剤を一回限り使用を認めていて、それにより当地域での一般栽培より
農薬使用比率をを85%減らすことができています。
対して、農薬を使えない有機栽培はどうするのか。
全国に有機栽培をやってる方はたくさんいらっしゃいますが、実にさまざま。
合鴨に草を食べてもらったり、田車を使ったり、皆さん工夫されています。
いろいろな除草方法がある中で、岩井さんが取り入れているのがこの米ぬかペレットです。
原材料は米ぬかに水。精米所からぬかを持っていて自作します。
田んぼに蒔くと溶けて広がっていき、トロトロ層ができて雑草の発芽が抑えられます。
しかし、これだけでは雑草の発生は抑えられず、田車をかけること三回、田んぼに入らなければ
なりません。
稲作において除草作業がしめる割合は大きく、炎天下での作業は厳しいものがあります。
農業総合センターなどでも除草の研究をやっている所はありますが、有機栽培では気象条件や
使う資材によって結果がまちまちで、毎年つける栽培管理台帳をもとに試行錯誤を繰り返す日々です。
この除草作業の大変さに有機栽培を諦める方もいる中、岩井さんが続けていくのは
体調のすぐれない奥様に体にいいものを食べてもらいたいとの想いからで、それが原動力となって
田んぼに入られるのです。
除草作業中に訪ねたことが何回かあるのですが、強い想いがなければ続かない作業だなと感じ
頭が下がりました。